睾丸の病気の症状と原因

精索静脈瘤

精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)は精索の蔓状静脈叢が蛇行拡張して、その程度が強いく、陰嚢内に腫瘤を形成する病気で、陰嚢痛を訴えることもあります。

 

発症するのは殆どが左側で、思春期以降に多いのですが小児にもあって男性不妊症の原因になることがあります。

 

普通、左側の精巣静脈は右側に比べて長く、左の腎静脈へと合流していくのですが、還流障害があって静脈血が停滞し逆流すると、精索静脈がこぶ状に拡張してしまいます。

 

その原因は、静脈弁の先天性不全や左腎静脈が上腸間膜動脈による圧迫が考えられていますが、静脈のうっ血によって陰嚢内の温度が上昇し、精巣の発育不全や精子の形成不全を引き起こすと不妊症の原因にもなります。

 

検査と診断は泌尿器科で行われますが、数分間立位にして腹圧をかけると腫瘤がはっきりわかります。アイソトープを使った診断法もありますが、通常は触診と超音波検査で十分診断できます。

 

治療は成人で疼痛が強い場合や、男性不妊症の原因と考えられる場合には外科手術となります。思春期でも精巣の大きさに差がある場合は、将来の不妊の予防に向けて手術の適応とされています。

 

手術は開腹または内視鏡下で拡張した血管を結紮する方法で行われ、術式間による再発率には殆ど差がありません。この病気は男性不妊症患者の約30% にみられます。