睾丸の病気の症状と原因

陰嚢水瘤と精索水腫

陰嚢水瘤、精索水腫(いんのうすいしゅ、せいさくすいしゅ)は泌尿器科、外科が担当する病気で、精巣、精巣の血管や精管を覆う鞘膜という袋に液体が溜まった状態のことを指します。

 

陰嚢部の鞘膜に溜まるのが陰嚢水腫で、精索部に溜まるのが精索水腫と呼ばれます。どちらも陰嚢、陰嚢上部や鼠径部が腫れるのが特徴で、あらゆる年齢で発症しますが、特に小児や乳幼児によくみられる病気です。

 

この病気の原因ですが、精巣は陰嚢に下降してくる過程で腹膜の一部が精巣に付くのですが、正常なら腹膜は本来突起状になって閉じるのが、この病気では閉じずに開いて腸が出入りするのです。

 

ここから鼠径ヘルニアとなって陰嚢やその上方の精索をおおっている鞘膜に液体が溜まってしまうのが陰嚢水腫、精索水腫なのです。

 

一般的な症状としては陰嚢水腫では陰嚢に、精索水腫では陰嚢上部や鼠径部に腫脹ができますが、痛みは伴いません。これは硬くなく弾力性に富んでいて光を当てると透けて見えます。

 

交通性陰嚢水腫では、時間帯や日によって大きさが変化するのが特徴で、基本的に朝よりも午後の方が大きくなります。外鼠径ヘルニアでの腫脹はやや硬くて透けて見えません。

 

水腫かヘルニアかを判断するには超音波検査が有効で、陰嚢や鼠径部が腫れて、お腹も痛くなったら嵌頓ヘルニアの可能性もあるので、ただちに専門医の診察を受けた方がいいでしょう。

 

大人の治療の場合は、中の液体を注射器で吸引することもありますが、効果は一時的で、根本的に治すには、手術で鞘膜を切除する必要があります。